Connect Inc.

2021/06/09
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脳のしくみを活かすということ

こんにちは、代表取締役の牛場潤一です。

 

季節は少しずつ移ろい、今年もまた梅雨に差し掛かってまいりました。ジメジメとした空気やすっきりしない空模様に、なんとなく気分が盛り上がらない方も多いのではないでしょうか?

 

でも、この季節にしかできないことも沢山ありますよね。水彩画のように滲む淡青の紫陽花を花瓶に挿して飾る、ザイフリボクの濃赤の実に集まる鳥たちを眺めながらジャムを作る、瑞々しい葉の間に隠れている青梅を見つけ、煮沸した瓶に角砂糖とともに入れてシロップができるのをかき混ぜながら待つ。こうしてみると、湿気に満ちた毎日が実はとても色鮮やかな情景に彩られていることに気づきます。

 

Connect株式会社では、そんなささやかな(でも、とても大切な)幸せを再び手にできる社会の実現を目指して、今日も社員一同、頑張って活動をしています。

 

 

脳の可塑性とは

 

さて今日は、私たちが製品化を進めるブレイン・マシン・インターフェース(以後、BMI)のしくみについて、少しお話をしたいと思います。BMIは、私たちの脳に備わっている「可塑性」にアクセスし、神経のけがや病気で失ってしまった脳機能を、脳内にもう一度復元させる技術です。「可塑性(=Plasticity)」とは、脳のなかにある神経回路が組み換わり、獲得される性質のことを指します。

 

普段なかなか耳にしない、わかりにくい専門用語だと思いますが、語源は実はプラスチックと同じです。プラスチックは熱を加えて変形させると、冷めた後でも形がそのまま維持されますね?脳もこれと同じで、しっかりトレーニングをして脳に適切な神経回路を作り出せば、新たに獲得された脳機能は消失することなく、脳の中に留まり続けます。こうした性質のことを、可塑性と呼びます。

 

 

 

 

脳に可塑性が備わっているという事実は、実は古くから知られていました。てんかん手術のために脳を半分切除した少女が、見た目は何も障害のないように暮らしている。交通事故で腕の神経を切断してしまった男性に、全く関係のない神経を繋ぎ替える手術を施して、再び自由に腕が使えるようになるー 「可塑性」というものがいかに可能性に満ちたものであるかは、こうした事例から容易に理解することができますが、一方で、脳をどのような条件におけばこの「可塑性」が発現するのか、私たち神経科学者もあまりよく分かっていませんでした。

 

つまり、「可塑性」の発現は、出たとこ勝負だったのです。まひした手を動かそうと、やみくもに訓練をやってみるだけでは望み薄です。可塑性は発現しないどころか、望ましくない方向に変化が生じて、状態が悪くなるリスクすらあります。このやっかいな「可塑性」という性質を手懐けて、望ましい方向に脳の状態をナビゲートすることができたなら、脳の病気やけがが原因で生じてしまった障害を、今よりももっと自在に治療することが可能になると、私たちは考えています。

 

脳のしくみを理解し、可塑性を引き出す、これこそが私たちが目指す次代の神経医療の姿です。

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